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以前のこと~実家にて

出産後は姉と2人、それぞれの赤ちゃんを連れて実家に身を寄せました。
並べられたベビーベッドふたつ。
赤子たちの祖母となった母K子が孫それぞれの名札を作りベッドにかけていました。

12月24日はショマが生まれてはじめて迎えるクリスマス。
出産のお祝いに夫の上司がクリスマスツリーをプレゼントしてくださいました。
私にとっては直接の上司ではなかったけれど、お世話になった方。
禿頭を撫でながら事務所にせかせかと入ってくる、 
飲み会のときには一升瓶を抱えている人というイメージのあの○○さん(失礼だ…)が
私たちの子が迎える初クリスマスのために、 そんな小粋な贈り物をしてくれるだなんて。
奥様が選んでくださったのかもしれません。
自分たちの子の誕生を祝ってくれる方がいる。
ツリーの贈り物に感じる人の温もり。

当時、夫は県内の別の場所に単身赴任をしていたのですが
時間を見つけてはショマ逢いたさに戻ってきていて、
クリスマスもみんなで楽しむことができました。

母は通常形態でも、まぁよく噴き出すわというくらい小言の多い人なので
一気に4人も実家に押し寄せてきてからの小言は盛大になる一方で
孫の誕生を喜んでいるのかどうかもわからないくらいでした。
それでも、人がいると片付かないと母が言い出すのも慣れたものですし、
大好きな姉と昼夜を通してべったりと過ごすのも私にとっては久しぶりのことで
この実家での生活は本当に楽しいものでした。

姉の子どもは火がついたように泣き、泣き止むまでに長い時間がかかり、
母K子は疳が強い子だと心配して
爪の先から疳の虫を出すおまじないをやろうと考えていたほど。
一方のショマは激しく泣くこともなくおとなしく、
手のかからない子といってよかったと思います。
あんまり泣くとK子にまじないかけられるんだど! などと姉と笑っていたものです。

竜太は出産直前に再び訓練所に預かってもらい、
産後一ヶ月すれば散歩も可能だろうと1月に入ってから迎えに行きました。
実家での受け入れ先は車庫。
その車庫で竜とショマははじめての対面。

母がプレゼントしてくれた
白い毛糸で編まれ、飾りにサテンの白いリボンとレースのついたおくるみに
ショマを包んで竜の前にそうっと近づけてみました。
まだ生まれてから日の浅い赤ちゃんですから
対面のときは暖かな日を選びました。
竜は赤ちゃんと会う機会はそれまでに一度もなく、
やはり心のどこかで信じきれていない部分が私の中にあったのだと思います。
竜が焼きもちを焼いて吠えたりしたらどうしようと。
まして出産のために、訓練所出向に加えて、戻ってきたら車庫待遇だし。

自分の家の犬と子どもに何を言うかという感じだけれども
冬の陽射しが差し込む車庫での対面の光景は美しいものでした。
赤ん坊に鼻を押し当て未知の存在を確かめるように匂いを嗅いでいた竜。
おくるみに埋もれるように眠っていたショマの顔が、
竜の鼻先で押し上げられていました。
竜は突然現れたショマをどんな風に受け止めたのかな。
乳くさいからおいしそうとでも思ったかしら。
本当は焼きもちも焼いていたのかな。
埃っぽい車庫の中で、物言わぬ者同士が顔を近づけあい、
温もりを分け合っていた優しい光景。
竜太はあの日からずっとショマのことを大事に扱ってくれました。

その後も何度か車庫で竜とショマを対面させて
竜がこちらの予想をはるかに超えて赤子に優しいということがわかったので
私も安心、新しい家族が増えての新生活への期待に胸躍るというところでした。

豪雪に見舞われたこの年の青森。
長く厳しい冬がようやく終わりを告げたころ、
夫の仙台への転勤が決まりました。

青森にも桜が咲きだした4月下旬、
姉との別れを惜しみ、一緒に子を抱いて海沿いの公園に桜を見に行きました。
海風が吹いてきてまだ肌寒かったけれど、
ショマの水色の帽子の上に海風に煽られて桜の花びらが落ちてきました。 
ショマに見せたはじめての桜。

新生活の場所となる仙台では桜の見ごろは終わりを迎えているはず。
青森でお宮参り、生後100日のお食い初めも済ませました。
様々な「はじめて」を体験させてあげたい。
この先、何度もはじめての経験を迎えてショマは成長していくだろう。
赤ちゃんだから記憶には残らないだろうけれど、
一緒に「はじめて」を共有しながら私たちは成長の喜びを噛みしめ
大きくなったらこんなことがあったよとショマに伝える。
それが家族の記憶になるのだと信じていました。


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