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以前のこと~何かがおかしい・3

人見知りをしない子なんだな…。

最初はその程度の認識でしたが、
ショマとほぼ時を同じくして誕生した姉の子どもが
人の真似をはじめたという話を聞いたときには焦りが生じました。
ショマが生後10ヶ月のころのことです。

姉からも直接、姉の子の成長の様子は聞いていましたし、
孫の成長を伝えてくる母からも耳に入れられていた話です。
身近なところにいる孫の成長に接すれば、
仙台へと遠く離れてしまったもうひとりの孫、ショマはどうだろうかと
母が気にかけるのも当然のこと。

 ユウはね、アナウンサーの真似をしてお辞儀するんだよ。
 ショマはどう?

嬉々としながら、こちらの様子も訊ねてくる母の言葉は
私にとって面白いものではありませんでした。
ショマは何ひとつ人真似などしなかったのですから。

ショマは成長がゆっくりめなだけなのに
このままでは比べられてしまう。
きっとそのうち声も出すようになる。

姉からの電話で受話器越しに聞こえてくる、
あぱぱぱぱ、まんまんまんといった言葉を発する前段階の喃語。
私は泣き声以外でショマが続けて声を発するのも
まだ聞いたことがありませんでした。

焦りだけは強くなりながらも、
越してきた仙台で親しい友人を作ることもできず、
相変わらず家に籠る日が続きました。

午後に昼寝のためにショマを寝かしつけて、
そのまま一緒に私も眠ってしまう毎日。
目を覚ますといつも隣にはショマがいないのです。
ひとりで私に背中を向けて座っている。
何かを手に取っているわけでもなく、ただじっと座っていて
まだ母を必要としているはずの月齢である小さな丸い背中は
周囲の空間と境界をなくして儚くその空気に融けこんでいきそうでした。

起きてたの…。
またお母さんのほうが後になっちゃった。
この子はひとり目を覚ましていても泣いて騒ぐこともないなぁ。

少しずつ少しずつ、
ショマに対して焦りだけではなく、違和を感じるようになっていました。

その違和は大きく膨らんだ末に、いややっぱり違う、
単なる思い過ごし! とパンッと弾けとんで跡形もなくなるという形ではありませんでした。

何かがおかしいという気持ちの外郭を象るように
内側からじわじわと浸食するように滲んできては
姉の子どもの成長という判断材料しか持たなかったゆえに
明確な確信という形にならないままにぼんやりと消えてゆき、
また滲んでくるという繰り返しであったように思います。


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