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以前のこと~新たなステップへ・5

最初はこの観察記録を何も言わずに
受け取ってくれていたY先生でしたが、
1ヶ月を越えたところで、
お母さんもういいよと、もうやめようと言葉をかけてくれました。

私の頑張ろうという気持ちが空回りしていることに
経験豊富なY先生は気が付いていたのだと思います。

今、まず一番に困っていることに着目して
療育を進めていきましょうと提案してくれました。

困っていることはいっときも落ち着くことのないショマの動き。
手をつなごうとしても体をねじって、
手を振り払い、駆け出していってしまうこと。

こちらから手をぎゅっと握っても、
たぶん嫌がって逃げてしまうだろうから、
私から一本の指を差し出して、ショマに握ってもらう。
その指を握っているんだという感覚をまずショマにつかんでもらうことを
目標にしようというのがY先生の答えでした。

一本の指を握るところから始める、
これが療育といえるものなのかどうかわからないけれど
ショマが成長した今も、少ししんどいなと思ったときには
Y先生のこの言葉に立ち返るのです。

ショマと私の関係はたった一本互いの指をつなぐところから始まったのだからと。
彼は今、私の五本の指すべてを握ってくれるじゃないかと。

***************
このほか、Y先生からは

 ・遊んでいても、自分の気になる方へ行く様子が見受けられる。
  ショマがこだわっていることから気持ちを切り替えてあげる。

 ・前に立って呼ぶと走ってきたことから、音に対する反応は悪くないと思われる。
  呼びかけをするときには手を叩くなどインパクトをつけてやってみる。

 ・刺激が強くないと入っていきにくい子どもである。
  危険かなと思われるくらいの遊びのほうが声を出して笑って喜ぶ。
  家でも体を使った遊びを積極的に行い、
  お母さん・お父さんといると楽しいことがあるということを知ってもらう。
  ショマにたくさん声を出してもらう。

というアドバイスをいただきました。

発達に遅れがある子どもにどのように接していったらいいのか、
付け焼刃の知識ながらも多少はわかったつもりになっていました。
が、実際にY先生にショマを見ていただいて、
状態を把握したうえで進められる療育に
やっぱりプロはすごいと唸るばかりの私でした。

児童相談所に行ってから、ずっと落ち込んでいたけれども、
私たちを導いてくれる場所に早い段階で巡り会えたことは幸運だったのだと
少しずつ思えるようになってきました。

児童相談所主宰の親子教室は翌年の春、3月まで通いました。
少しずつ少しずつ段階を踏んで、
4月からは母子一緒に週2~3回通う
母子通園施設『マザーズホーム』へ通うことが決定。

**********
Y先生は、児童相談所は退職されましたが、
現在もなお障害のある子どもたちに遊び場を提供する団体を率いて
精力的に活動を続けていらっしゃいます。

ショマの学校の行事に顔を出されることもあり、
当時と変わらずハキハキとした口調で、
元気にやってる? と明るく声をかけてくださいます。

私たちが今毎日元気で暮らしているのは、
先生が私とショマの手を結んでくれたから。

ショマも中学生になり、
危険も認知できるようになってきたので、
今は互いに手をつなぐこともほとんどなくなりました。

それでもスクールバスをぴょんと跳ねるよう降りると
ショマは必ず私の両手を、自分の手で包むように握ってきます。
迎えに行くとそれは決まりごとのように繰り返されることだけれど
今日も明日も明後日も、この瞬間を大事にしたいと思うほどにショマの手は温かい。


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| 自閉症関連~以前のこと | 18:29 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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