PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

以前のこと~兄弟・7

スズを妊娠したとき、周囲の声は祝福ばかりではありませんでした。
一人目の障害児で大変と言っているのに考えが浅い。
二人目も自閉症だったらどうするのか。

どうするのかと言われましても、それでも育てていくという答えしかありませんが、
私自身が不安に思っていたことが投影されるように
周囲の声となってまた自分に跳ね返ってくる。

実際に二人目を生んで育ててみたら、不安を裏切りません。
やっぱりか~という結果。
二人ともに障害を背負わせて、この世界に送り出してしまったという
母親としての申し訳なさ、二人に対する後ろめたさにも似た思いは
この先どんなに楽しく暮らしても、私の中に居座って払拭されることはないように思います。
また、親がいなくなった後、障害を持った兄弟二人が
どのように暮らしていくのかを考えると身震いするほど恐ろしくなることもあります。

が、私たち夫婦のこれからの仕事は、
二人の将来を悲観することではなく、彼らが安心して暮らせる場所を探すこと。
そして、福祉という現場に彼らの将来を委ねたときに、
そこにいる周囲の方々と共存できる人間となることを目指して育てていくこと。

親の心配・不安は様々あれど、
そんな親の不安を軽々と超えるかのように、
二人は私たちが予想していたよりはるかに仲の良い兄弟になりました。

今は私といるより兄弟べったりで過ごす時間の方が断然長い。
知的発達や出来ることだけを見れば、ショマはスズより能力は劣っています。
成長に伴い、能力的な差は少しずつ開いてきました。
それでも、弟を慈しむショマの心は幼い日からなんら変わることはありません。
食事どきにスズの好きな食べ物があれば、それを取っておいて最後にスズに与える。
ケア施設で買い物の機会があれば、スズがお気に入りのおやつを買って、
それだけは施設で食べずに袋に詰めて持ち帰ってくる。
非常にシンプルな愛情表現。

単純な表現だけれど、弟を思うショマの心がぎゅうぎゅうに詰まっている。
互いの名前を呼び合いながら過ごす二人の日常のなにげないやり取りを見ていると、
親子の絆より兄弟の絆は強いことがあるという友人の言葉で
胸が満たされていく思いがします。

********************
二人目が誕生して名前を考えるとき、
ショマが発音できる音でという前提で考えていたので難航しました。

コマーシャルの中の言葉や歌なら、なんとか発音できる言葉もあるよね?
病院でさんざん考えて、
ショマが当時夢中になっていたある美容クリニックのコマーシャルを思い出しました。

 「あのクリニックから名前をとったらどう?」

私の提案に、

 「そんな名づけ理由はさすがにないよ…。
 それにショマが呼べても、僕たちには呼びにくい。」

夫は渋い顔でしたが、
産婦人科病院ではじめてスズに面会したショマの第一声は、
その美容クリニックの名前そのものでした。
病院の雰囲気から連想して、コマーシャルのフレーズが口をついたのでしょう。

次男の名前はこれにて美容クリニックの名前からいただくことに…。
漢字はなんとなく恰好がつく形で後から決めて、その音に充てました。
この名前の由来をどうやって説明しようか。
ま…意味もそれとなく恰好がつくようにまた考えよう。
夫婦ふたりでこそこそ話し合いました。

あれから10年以上。ショマとスズが過ごした時間。
名前の意味など後付けしなくても

 「スズの名前はショマが決めたよ。」

この事実が最も素敵な由来になるのではないかと思える兄弟の年月です。


      バナー4  バナー178
      人気ブログランキングへ           にほんブログ村 自閉症児育児へ
      いつも応援ありがとうございます^^

| 自閉症関連~以前のこと | 13:19 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

PREV | PAGE-SELECT | NEXT