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以前のこと~まごころ・4

保育所に入所して、1ヶ月ほどを過ぎたころ、
保育所のバルコニーで工事が始まりました。
2階のバルコニーには柵があったのですが、
体を滑り込ませようと思えば出来ないこともない。
その柵の隙間にアクリル板を張って、隙間を埋める工事でした。

入所してしばらくの間、ショマはバルコニーにあるプールを目指して
一目散に駆けていくのが日課になっていたので
落下防止のための工事だったのだと、私は思っています。
先生たちは皆、一様にショマ君のためだけでは…と否定していたけれど…。

また、保育所に植えられている多種多様な木の中に梅の木がありました。
梅の花が終わり、青梅が実をつける頃、地面にいくつか落ちるんですね。
その青梅を先生が拾い上げて、
ほらショマ君、梅の実だよ~と見せてくれたことがあったのです。
私もそばに居合わせたのですが、私と先生の目の前で、
目の前だったけれど、目にも留まらぬ早業で、
バックリとショマは口に入れてしまいました。
青梅には毒性があると言われていますから、先生が慌てに慌てて
ショマの口に手を突っ込んで吐き出させました。

しばらくして、アレッ梅の木ないなぁと気付いたのですが、
その梅の木が伐採の憂き目に会っていたことを知りました。
ショマ君のせいでは…と、これまた先生たちは否定していたけれど…。
多分、バルコニーの工事、梅の木の伐採、両措置とも
ショマの行動が引き金になっていたことは間違いない!と
私は自信を持っておりますし、
そのほか、私の知らないところで様々に配慮をいただいていたのだと思います。

ショマのためにここまでしてもらって、心底ありがたいという気持ちと
ここまでしてもらわなければ、保育所という場所にいられないのかという肩身の狭さと。
加えて、早く保育所に馴染んでほしいのに滞在時間が一向に延びない焦り。

先生の顔と親の顔との区別がついているのかもわからないショマ。
ポラロイドで先生や私たち夫婦の顔や、保育所の様々な場所を撮影して
マジックで写真の余白に、
パパ、ママ、○○先生、所長先生、主任先生、○○の教室と 書き込んで、
これがママ、パパ、○○先生と教えました。
先生たちもゆっくり保育所に馴染んでほしいと
一歩一歩スモールステップを踏んでいるのだから、
私も出来るところから少しずつ進もうと決意しました。

最初はね、この決意は揺るがないと思うのです。
この世に生まれて、たった3年ほどの他の子どもたちが
あれこれと上手にこなしていくのを見るにつけ、
自分たちの立ち位置の違いを
まざまざと知らされているような気がしてあっという間に揺らぐ。
揺れすぎて、ぐらついて、こんなことして意味あるんだろかと疑問に思い、不貞腐れる。

自分の気持ちの揺れを心の中で折り合いをつけて過ごすのでいっぱいいっぱいで
慣れない保育所で不安や混乱の中で過ごしていたであろう
ショマの気持ちの揺らぎを汲み取ってやるというところまでは、とても思い至りませんでした。

ポラロイドや絵カードでいろいろ覚えて!と、一緒に楽しむでもなく、
私が焦るように詰め込むように教えていた時間は
彼にとっては負担も大きかったと思います。
カード学習の後は静かに何時間もパズルに没頭していました。
心落ち着かせる時間はこのときだけというように、誰であっても寄せ付けない。
普段の落ち着きのない姿とは違う、静謐な空気を漂わせていたあの後ろ姿を思い出すと
涙が滲んできます。お母さんは自分のことばかりだったね。
ごめんねと謝りたい。あの頃のショマは声をかけても振り向いてくれないと思うけれど。


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| 自閉症関連~以前のこと | 17:59 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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