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以前のこと~まごころ・6

並行して、姑、もうひとりのお母さんとも電話でよく話しました。

一応姑ですから、実家の母に話すほどショマのことを辛辣に話すわけではないですが
根気よく私の愚痴を聞いてくれていました。

あるとき、お義母さんと新聞のあるコーナーについて話をしたことがありました。
確か、『あのね』というコーナーで、小さな子どもの奇想天外な発想からくる面白発言を
お母さんや、おばあちゃん、おじいちゃんが投稿するといった内容でした。

面白いんですよ、かわいいんですよ。子どもの発言。微笑ましい。
でも意地悪でごめんなさいね、ウチの子は一生こんなこと言わないよ、ケッと思う。
でもでも、ショマと同じ年頃の子がどんなことを言うのか気になって見てしまう。
そして、ケッと思うの繰り返しでした。 

たぶん、あのコーナーを読むと心底他の子が羨ましいと思ってしまうとか、
そういう流れでお義母さんに、自分の心のうちを打ち明けたのだと思います。

   私もね読んでるんだけど、あれを読むとね、
   ○子(私)がどんな気持ちで読んでるかなぁって思うの。
   でもね、育てている○子にしたら、こんなこと言われたくない、
   そんなつもりでショマを生んだんじゃないって思うかもしれないけれど、
   私はショマといると、なんていうか…癒されるの。
   目がねキラキラしていて、こちらの心も綺麗になる気がするっていうか…。


人の言葉を素直に聞けない私でしたから、
障害のある子は純粋だとか、心が美しいとか見たり聞いたりするのも嫌だったころです。
障害のある子は天使だとか、そんなのは奇麗ごとであって幻想、幻想。
それなのに、お義母さんのこの言葉を聞いて素直に嬉しかった。

私はショマの目がキラキラしているなんて思ったことはなかったのですが
お義母さんと過ごした短い日々の間、本を読んで読んでとせがむようになったショマ、
お義母さんはその目に好奇心からくる輝きを見出していてくれていたのかもしれません。


障害のある子がいるお宅では嫁の血筋だとか、嫁の育て方だとか
一方に原因を求めるかのような言動をされるお姑さんがたまにいるように思われます。
私の場合、他の子への妬み、羨ましさはどこに向けていいのかわからず心を彷徨い続けて
最後は障害を持って生まれた子どもと、そしてその子どもを生んでしまった、
先天性の障害を持たせてしか生んでやることができなかった、
自分の体への嫌悪に向いていました。

ショマがはっきりと自閉症と診断されたときに、診断を下した先生が
自分の身内を見てごらんなさい、変わった方が一人二人はいるはずですよと言われました。
思い当たる人。私といえば私でもあるし、夫といえば夫のような気もするし…。

私は研究者ではないので自閉症の原因について
身内のあちこちに遡って探し求めてもあまり意味がない。
原因よりも、私たちにはこれからも続いていく時間を、
一日をどう過ごすかの方が大切なんだ。
そう割り切っても自分の中に流れる血への怨嗟というものが
心のどこかでほの暗く灯り続けている状態。
そこへ嫁の血筋の問題と言われたら、精神的に持たなかったと思います。

私は遺伝的なことについてもお義母さんに何かを言われるということもなかったし、
ショマが障害のある孫で辛く悲しいといった類のことも言われたことがないのです。
毎日、毎日、お父さんのお仏壇に私たちを守ってくれるように
お願いしているのとだけ聞かされていました。
お父さんの前でだけ、自分の本当の気持ちを打ち明けていたのかなと思います。

お母さんが仙台に来てくれたときに、
母子通園施設の卒業文集を見せたことがありました。
その時点での私のショマに対する思いをズラズラズラーッと、長文で書き連ねたもの。
お母さんは二階の部屋に持ち込んで寝る前に読んでいたようです。

最近になって、いつものようにショマやスズの暮らしぶりの報告の電話をしていたとき、
その文集の話になり、
お義母さんははじめて私の前で電話口で泣きました。
あの文を○子があのとき、どんな気持ちで書いたのかなと思うとね、涙が出ちゃってと。

最近は毎日穏やかで落ち着いて楽しく過ごしていますよと告げることができるようになって
常に負の感情へ引っ張られていた私の心も安定してきて
こうして過去も振り返って考えることができるようになった。

遠く離れていて、何もできなくてしてあげられなくてと口癖のように言うお義母さん。
私は、まごころに距離なんか関係ないですよとお母さんに伝えたい。


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| 自閉症関連~以前のこと | 09:53 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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